妊娠発覚~稽留流産体験記
年が明けてから1ヶ月、妊娠~稽留流産までを経験しておりました。
以下覚書。
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年末から生理が来ない。ちょうど元旦が予定日から1週間だったので、
年が明けてすぐの朝検査薬使用。「クリアブルー」は使用法を間違えたのか?
検査完了のしるしすら出ず、初詣ついでに「ドゥーテスト」を再購入して使用、見事に陽性。
1/2
4日から義実家(高原に別荘を借りて住んでいる)に義妹夫婦と車で出かけ、
2泊3日で露天風呂や善光寺詣、おうちでふぐ鍋&日本酒、軽井沢のフレンチ!
と遊び回る予定だったがひとりでお留守番をすることに。
こんな超初期から伝えるべきではないと思ったが、断る以上言わない訳にもいかず電話でご報告。
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夫も残ると言ってくれたが体調が悪い訳でもないし、義実家では6人分の食事の用意をしていて
くれるであろうから、いいよ行っておいでと言って夫だけ義実家へ行くことに。
夫の出発より前に家を出て、新年初日の産婦人科へ初診を受けに行く。
午前中は予約外外来受付なので誰よりも早く行ってみたが、早すぎてドアが開いていなかった。
開けてもらって、中で2時間くらい待った後、ようやく初診。
基礎体温表なども持参し、検査薬陽性など説明し、内診してもらう。
たぶん妊娠ですが、まだ子宮外妊娠の可能性もあるので確実な事は言えないとのこと。
病院は家から歩いて25分くらい、お城のように綺麗でクチコミの評判がすこぶる良いが、第一印象はちょっとそっけない。
初診は血液検査や体重測定などあって1万円以上する、と聞いていたが
問診票記入と内診だけで、8,000円でした。
1/11
2回目の検診。金曜日を指定されたので有休をとる。
午後から出社しようかと思ったが、ちょうど翌日から義両親が泊まりにくることになっており
片づけもしたかったので休む。夫も休んで同行してくれた。
評判の「若先生」登場。にこやかではないが優しくてとても丁寧。
子宮外妊娠は否定され、胎嚢の成長もまずまず順調とのこと。
次回は2週間後の予約で、ここでたぶん心拍が見えて、予定日が確認できますよ~とのこと。
その後、近しい同僚(既婚子持ち)にまず打ち明けて、周囲への報告タイミングや
産休までの過ごし方、育休中の注意事項などレクチャーいただく。
準備リストや考えるべきことの箇条書きの資料も作成、たまごクラブやマタニティブックも買って
情報収集に励む。飲み会の誘いをどう断るか、結構悩んだ。
それと紅茶・コーヒーが飲めなくなったのでルイボスティやハーブティ、カフェインレスコーヒーも購入。
1/26
土曜日の午前予約。心拍確認ができる=予定日が決まれば
母子手帳ももらえるだろうし、一気にいろいろ展開するぞ~!と期待に胸をふくらませて
またも夫同伴で病院へ。しかし、相変わらず胎嚢だけで、胎児(胎芽)が見えない。
最終生理日からの計算では8W2Dとなっており、心拍の確認率はほぼ100%との記事も読んでいた。
若先生も神妙な顔つきで「ここに白い影が見えているような気もするんですが…
たまたま、見えていないだけということもあります。次が、大事になります。
また来週いらしてください」と告げる。
まさかの展開に、目の前が真っ暗に。帰り道、涙が止まらない。
帰宅してしばらくは茫然としたままベッドで過ごす。
次の予約は翌週金曜日の午前としていたが、少しでも早く知りたい、と思い
木曜日の夕方一番最後の予約に後から変更する。
そのあとはもう不安でたまらなかった。
「8w 心拍確認できない」「稽留流産」「8w 見えない」などで
とにかく検索しまくった。Q&Aサイトや発言小町、ウィメンズパークなどほとんどの該当記事に
目を通したと思う。そして、自分のケースだと稽留流産がほぼ確定的であることを理解する。
若先生は「たまたま見えないだけで」なんてことをおっしゃっていたが、
これもおそらくショックを和らげるための時間稼ぎという配慮なんだとわかった。
排卵日が遅れているだけ説も、性交日が確定しているので考えられない。
が、赤ちゃんを失うかもしれないという悲しみよりも、
自分が立てた計画が崩れ去った=思った通りに事が運ばなかった、
ということのショックが大きかった気がする。まったくもってひどい話だが。
体験談などを呼んでいると既に胎児に名前を付けてあげたりして
「お腹の○○ちゃんはもっとつらいはず」なんて思いやりのあるお母さんがたくさん。
それに比べて私は、結局一度もエコーで確認すら出来なかった赤ちゃんに対し
どうしてもそこまでの思い入れを抱くことはできなかった。
「母体」になってしまった!もう好き勝手はできない!
という責任感はひしひしと感じていただけれども…
このような自分の気持ちに対して、酷薄だなあとつくづく思う。でも正直なところ。
しかし、「たぶん流産、でもまだ望みがある」という状態の5日間は辛かった。
夫は私が流産を前提にした発言をすることに悲しそうな表情を浮かべていたし。
でも調べれば調べるほど望みが薄い気がしてくる。早く、はっきりさせたかった。
木曜日は会社を早退し、直接病院へ。
おそらくショックを受けるであろう自分のために、帰りに買うドーナツ屋などもチェック。
その一方で「あら、あっさり見えましたよ~!赤ちゃん元気です」なんて展開も
どうしても期待してしまっていた。
診察の予約は17時だったが、16時半には病院に到着してしまう。
1時間以上待ち、結局18時前くらいにやっと名前が呼ばれる。
内診台で、先生はいつもの5倍くらい時間をかけてじっくり、赤ちゃんを探してくれた。
でも、やはり見えない。先生には
「自分でいろいろ調べて、ほぼ流産だと覚悟はできています」と冷静に告げる。
それでも「やはり…確認できません。稽留流産という状態です」とはっきり宣告された後は
涙があふれてきた。病室に戻って先生を待つ間、夫にメール。涙が止まらない。
そんな状態で看護婦さんに採血され、先生から手術の説明を聞く。
聞き終わる頃には大分落ち着いていた。手術は、来週の水曜日。
その前日に前日処置をするとのこと。
前日処置の前に飲む鎮痛剤をもらって、ドーナツを買って、帰宅。
流産が確定してからは、前日までのいてもたってもいられない不安からは解放されて
だいぶ気が楽になった(これもひどい話)。
次なるは手術の恐怖。人によって全然痛くないと言う人もいれば
前日処置が一番痛い、手術本番中に麻酔が切れて腕を押さえつけられて泣き叫んだ、
という体験談もあり…
特に初産の人は子宮口が堅いから、前日処置が難しく痛みを伴いやすいこと、
また麻酔はお酒が強いと効きづらい、鎮痛剤を常用していると効きづらい、と読んでしまい、
どちらも該当する私はひたすら戦慄。
2/5
会社を早退して前日処置へ。途中、ブックオフで司馬遼太郎の文庫本を2冊買う。
待ち時間対策だったが、この日はあまり待ち時間はなかった。
それと、この病院はとてもきれいでエレガントな内装なのだが(シャンデリアとか猫足の椅子とかある)、
夕方や曇っている日は暗くて読書に適さないのだ。
なので文庫本は手術が終わった今も、1ページも開いていない(笑)
前日処置は普段の内診台の上で若先生が丁寧にやってくれたが…
これが痛い!めっっちゃくちゃ痛かった!
今までの人生で受けた治療の中で一番痛かった。
身体の内の奥を串刺しにされているという表現が一番近い。
まあ、子宮口に管を突っ込んでいるのだから実際そうなんだろうけど。
あまりの痛みに唸るだけでなく、涙を流し、悲鳴をあげてしまった。
お恥ずかしい限りだが、先生も頭を撫でて、謝ってくれた。先生ごめんね。
明日の手術は、麻酔が効くから痛いことありませんよとのこと。
麻酔が切れないよう、多めでお願いしますと言って帰る。
思った以上の身体的ダメージでごはんが作れそうになく、モスを買って帰宅。
21時から絶食・お水も禁止。
2/6
この日は大雪の予報だったが霙程度で治まる。
家を出る前に座薬を2つ挿入。これもまた初体験だったが、すんなりクリア。
夫が見つけてくれたバスルートで病院へ。この日は手術オンリーで外来はお休み。
受付を済ませて、しばらく待った後、2回の病室へ。
そこで説明を受けて夫は一旦帰宅。私は手術着に着替えて、手術室へ。
手術台に寝て、脚にカバーなどをされ、まず点滴。
ちょっと痛いと聞いていたけど痛くなかった。
それと、麻酔を効かせるために筋肉注射を打つと効いていたけどこれはなかった模様。
若先生が点滴に「ちょっと血管ががピリピリしますよ」という薬を入れてくれて、
あ、ほんとだ、ピリピリする… と思ったのを最後に、記憶が途切れる。
麻酔がしっかり効いたらしい。うっすら、先生や看護婦さんの声、
自分が「麻酔、麻酔」とうわごとを言っていたような記憶(どんだけビビりw)はあるのだが
痛みや苦痛はまったくなく、ようやく意識がはっきりしてきたのはもといた病室のベッドの上。
目は明けられるが起き上がることはできない。
寝たり、起きたりを何度か繰り返し、看護婦さんと話が出来るように
「もう、全部終わったんですか」「終わりましたよ」
時間を聞くと14時前だった。手術は12時過ぎだったと思う。
夫は16時頃に迎えに来るはずなので、それまでまた寝ることにする。
途中、首が痛くなってきたのでまくらをもらい、iPhoneをいじれるようになったので
メール等をし、ひと段落。
夫が迎えに来てくれて、自力でトイレまで歩けることを確認し、無事退院。
麻酔が切れるときにすごく痛いとか、子宮痛がひどいとか吐き気がするとか
いろいろな体験談を見たのだがどれもなく、すこしクラクラする程度。
おなかぺこぺこで帰宅。
妊娠が発覚してからカレー断ちをしていた(手がかからないいい子=夫のような子が生まれると言う義実家のジンクス)
ので、夫にカレーを仕込んでおいてもらう。美味しかった。